今も昔も霊験あらたか-多賀大社-

所在地:犬上郡多賀町多賀

多賀大社拝殿

 「お伊勢参らば お多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」、「お伊勢七度 熊野へ三度 お多賀様へは月参り」と親しみを込めて謡われる多賀大社、初詣客数が県内のトップにランクされる、滋賀県を代表する神社です。
 最初にあげた唄は、多賀信仰を広めるために謡われたもので、その意味は「伊勢神宮の天照大御神は多賀大社の祭神伊邪那岐大神と伊邪那美大神の子供だから、お伊勢参りにあわせてぜひ多賀大社にも」「一生のうちにお伊勢参りは七度、熊野詣は三度、多賀大社へは毎月参りましょう」という内容です。今でいうところのCMソングです。この唄の広がりが示すように、多賀大社に残る書状には、武田信玄や織田信長、浅井長政、豊臣秀吉などそうそうたる顔触れの武将の名がみられます。やはり生死をかけた人たちの神仏への熱い信仰を垣間見ることができます。

 おすすめポイント

 多賀大社の奥書院には国の名勝に指定されている庭園があります。拝観には300円が必要ですが、安土桃山時代の作庭といわれる池泉観賞式のこじんまりした庭園です。春はしだれ桜、秋は紅葉と季節毎に楽しめます。

◇奉納絵馬

 この庭園へは、奥書院(滋賀県指定文化財)から観賞できるように作られており、社務所から入り、奥書院へつながる廊下を通っていきます。ここでおすすめしたいのは、庭園もさることながら、廊下の壁に飾られた、各界の著名人が奉納した絵馬です。一例をあげるると今年復帰した読売ジャイアンツの監督の原辰徳さんや昨シーズン引退した中日ドラゴンズの守護神岩瀬仁紀さん、作家の井上靖さんや司馬遼太郎さん、俳優の森繁久弥さんなどの名前がみえます。
 先の武将に負けずとも劣らない、現代の著名人の絵馬、ここにも多賀大社の信仰の広さをうかがい知ることができます。

奉納絵馬

◇糸切餅

多賀大社の参詣のお土産といったら糸切餅は外せないでしょう。鳥居の前に軒を連ねるお土産物屋さんで売られています。この糸切餅、米粉とこし餡で作られる素朴な生菓子です。米粉を棒状に仕上げ、中にこし餡を入れ、糸で程良い大きさに切ったものです。赤色と青色の線が1本・2本と入っているのが特徴です。
 糸切餅が生まれたいわれは諸説ありますが、寿命を伸ばすにかけて米粉を長く伸ばし、せっかく伸ばした米粉(寿命)を刃物で切ったのでは縁起が悪いと細糸で切ったそうです。そして考案した力士「大海」の化粧まわしとその妻三縞にちなんで赤と青の3本の線を入れて売り出したとの説。蒙古襲来時に戦勝を祈願した際に、赤1本、青2本の筋を敵の旗印に見立て、餅を弓弦で切ったことにはじまるとの説などがあり、ともに長寿や戦勝といった多賀大社の霊験にあやかっていることは共通しています。
 この糸切餅、生菓子であることもあり1~2日程度しか日持ちがしません。だから、ここを訪れた人しか手に入れることができないご当地もので、参詣のお土産としてうってつけの一品です。
さて、味のほうですが、甘すぎないこし餡で非常に上品な仕上がりです。お茶うけには最適です。ぜひ、多賀大社へお参りの際にはご賞味ください。

アクセス

【公共交通機関】琵琶湖線彦根駅下車、近江鉄道に乗り換え多賀大社行き「多賀大社前」下車、10分徒歩
【自動車】名神高速道路彦根IC下車10分、駐車場有り

 公益財団法人滋賀県文化財保護協会提供