近江商人の源流-五箇荘金堂の街並み
東近江市五個荘町金堂
東近江市五箇荘は、江戸時代末期から昭和初期にかけて活躍した、近江商人発祥の地です。五個荘の近江商人は、全国各地に進出して出店を持っていましたが、本宅には店としての機能をもたせなかったことが特徴とされています。今回は、こうした、五箇荘商人の本宅が軒を連ねる、金堂町の町並を紹介します。
金堂の集落は、江戸時代に郡山藩(現:奈良県大和郡山氏)が陣屋と社寺を中心に形成した、湖東平野を代表する農村集落でした。しかし、水の被害が多いこともあり、農家の副業としての商いを行うようになりました。幕末から昭和初期にかけて多くの商人を排出し、明治13年(1880)には、全戸数の3分の1に当たる67戸が呉服などの繊維製品を扱う商業に従事していたそうです。
この地域の商家には、広い敷地に古い船材を再利用した舟板塀をめぐらせた中に、切妻や入母屋造の主屋を建て、さらに数寄屋風の離れや土蔵・納屋を建て、池や築山を配した大きな庭園をもつものが多く見られます。屋敷内には、水路を引きこんで屋根をかけ、洗い場や防火用水に利用するための「川戸(かわと)」が造られています。
おすすめポイント
一般に公開されている近江商人屋敷は、中江準五郎邸・外村繁邸・外村宇兵衛邸の3邸となっていますが、なかでも一番大きなものは、外村宇兵衛邸です。外村宇兵衛は、呉服類の販売を中心とした支店を、東京・横浜・京都・福井などに有し、明治時代期に全国長者番付に名を連ねていた豪商として知られています。修復された、主屋・土蔵の内部や、池泉回遊式の立派な庭を見学することができます。
※入館料:大人600円 小人300円(近江商人屋敷3軒共通)
開館時間:9時30分~16時30分
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
駐車場:有り
電話:0748‐48‐5676(外村繁邸)
周辺情報
◆近江商人博物館(てんびんの里学習センター3階)
近江商人の誕生から、近代までの活躍を、古代~近世までの年代順に解説しています。展示解説には、映像や模型・レプリカが多使い、わかりやすい展示となっています。また、展示室の各所に、「旅姿で記念撮影コーナー」・「行商荷物の重さを体験してみようコーナー」・「千両箱の重さを体験してみようコーナー」・「帳場体験コーナー」などが設置されていて、お子様連れでも充分楽しめるようになっています。
※入館料:大人200円 小人100円
開館時間:9時30分~17時00分
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
駐車場:あり
電話:0748‐48‐7101
アクセス
【公共交通機関】JR能登川駅から近江バス「八日市駅行」金堂下車徒歩10分
【自家用車】名神高速道路 竜王I.Cより車で約30分
公益財団法人滋賀県文化財保護協会提供